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最近注目の「ポータブル蓄電池」!購入する前に確認しておきたいポイント8つ
- 2020.06.27
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過去に太陽光発電パネルを設置し、現在は蓄電池の購入を検討されている方の中に「蓄電池といっても種類が多すぎて、どの蓄電池がご自身の家庭に合うのかわからない。」といったご相談をよくいただきます。
また、昨今では「ポータブル蓄電池」という製品が、さまざまな利用法があることでネット上でも注目され、情報収集の際に稀に混同されていることもあります。
家庭用蓄電池をすでにお持ちで、さらにポータブル蓄電池を購入し自家発電した電力でグランピングを楽しむといったご家庭まで登場しています。
そこで、ポータブル蓄電池と、蓄電池の違いや確認すべき8つのポイントを紹介します。家庭用蓄電池の購入をお考えの方も、発電した電気のさらなる有効活用のお役立てにぜひご覧ください。
目次
1.ポータブル蓄電池の基本情報
まずは、ポータブル蓄電池の基本的なことについて押さえておきましょう。
1-1.ポータブル蓄電池とは?
「ポータブル蓄電池」とは、文字通りポータブル(持ち運び可能)な蓄電池(電源)のことです。
一般的な蓄電池は設置・据置型なのですが、ポータブル蓄電池は持ち運ぶことを前提にして作られており、サイズや重量が大幅に少ない作りとなっています。
1-2.ポータブル蓄電池のメリット
ポータブル蓄電池の最大のメリットは「持ち運べる」ことです。
一般的な設置型の蓄電池を不用意に移動させようとすると、故障する可能性が高いです。
そもそも持ち運ぶことが難しいほどの重量ですので、移動することはできないでしょう。
ポータブル蓄電池は持ち運ぶことを前提にして作られているため、家の中はもちろん、外出先へ持ち運ぶことも十分に可能なのです。
その特徴を活かし、アウトドアで電気を使う用途に用いられることも多くみられます。
ちなみに「持ち運べる」ことについて、その難易度を知る手段としては「重量」が大きな要素となるでしょう。
製品名 | 容量 | 重量 |
---|---|---|
FlashFish E200 | 151Wh | 1.85kg |
SmartTap HTE032-RD | 311Wh | 3.5kg |
Jackery700Wh | 700Wh | 6.3kg |
Jackery1000Wh | 1002Wh | 10.6kg |
このように、ポータブル蓄電池の重量は容量に比例することがわかります(およそ100Whあたり1kgが相場)。
ポータブル蓄電池は持ち運べることが最大のメリット、アウトドアにも活用できる!
2.ポータブル蓄電池の性能・規格で確認すべきポイント
これからポータブル蓄電池を買おうと思っている方は、さまざまな商品の中から選ぶことになります。そこで、ポータブル蓄電池を選ぶにあたって見るべき5つの項目について解説します。
2-1.容量
「容量」は、どの程度の電気を貯めておけるかを示す数値です。
数値が大きいほど一度に多くの電気を持ち運ぶことができるので便利ですが、前述の通り容量は重量に影響しますし、価格もその分だけ高額になる傾向にあります。
例えば「夜釣り」に持って行きたい場合であれば、ライトを使用したりスマホを充電するのに200Wh以上あれば十分でしょう。
一方で「キャンプ」に持って行くのであれば、電気ケトルなどの調理器具を使用することになると思いますので、350~400Wh以上の容量は欲しいところです。
用途に応じて最適な容量のポータブル蓄電池を選べば、無駄なく利用できるでしょう。
2-2.重量・サイズ
前述の通り、容量に比例する形で「重量・サイズ」は大型化する傾向にあります。
持ち運ぶという特性上、重いものになるほど利便性は低下しますが、容量の多いポータブル蓄電池が欲しいのであればある程度の重量・サイズになることは覚悟しなければなりません。
ただし、キャンプのように自動車を利用することが前提であれば、ポータブル蓄電池の範囲内で大型化してもそこまで利便性を損なうことはないでしょう。
2-3.出力ポートの種類と数
ポータブル蓄電池の利便性を知る手掛かりとなるのが「出力ポートの種類と数」です。
キャンプなどで家電製品を使用したい場合は「AC電源ポート」を最低でも1口、可能であれば2~3口あると便利に使えるでしょう。
スマホやタブレット端末の充電目的であれば「USBポート」があると便利で、大人数のキャンプであれば数口のUSBポートがあると一度に多くのモバイル端末を充電できます。
2-4.充電方法
外出先での利用を前提とするのであれば「充電方法の多さ」にもこだわりたいところです。
基本的に「ACアダプタ」による充電は可能ですが、ポータブル蓄電池によっては「車のシガーソケット」や「ソーラーパネル」などでも充電可能なものがあります。
これらの充電方法は外出先での使用に適しており、外出先で追加充電が可能なので容量の多さをそこまで気にしなくて済むかもしれません。
2-5.電圧の出力波形
一番注意しなければならないのは、ひょっとしたら「電圧の出力波形」かもしれません。
出力波形とは「正弦波」「疑似正弦波」「矩形波」があり、正弦波タイプよりも矩形波タイプのほうが価格は安い傾向にあります。
しかし、幅広い用途に使用できるのは正弦波タイプであり、矩形波タイプでは使用できる家電製品の種類が限られます。
利便性を追求したいのであれば正弦波タイプを、購入価格を抑えたい場合は矩形波タイプをおすすめしますが、矩形波タイプを購入する際は使用予定の家電製品に使えるかどうか確認しておきましょう。
ソーラーパネル充電に対応していると、アウトドア中に充電できるから便利!
3.ポータブル蓄電池の使い方に関して確認すべきポイント
ポータブル蓄電池はさまざまなメリットがあるのですが、使い方に関して把握しておかなければならない3つの項目について解説します。
3-1.設置型よりも低容量
ポータブル蓄電池は、持ち運びを前提としているため「設置型よりも低容量」という弱点があります。
例えば大容量が自慢の設置型蓄電池をピックアップしてみると、容量に大きな違いがあることがわかります。
製品名 | 容量 |
---|---|
京セラ EGS-LM1201 | 12kWh |
ニチコン ESS-U2M1 | 11.1kWh |
ニチコン ESS-U2X1 | 16.6kWh |
一目でわかる通り、設置型の蓄電池の容量は基本的に「kWh(キロワットアワー)」なので、文字通り桁違いの容量があるのです。
先ほど紹介したポータブル蓄電池は大きなものでも約1000Wh、つまり1kWhなわけですから、設置型で大容量のものであればその10倍以上の容量があることがわかります。
設置型の中にも容量の少ないものはありますが、それでも3kWh前後なので、ポータブル蓄電池と比べると十分に大容量なのです。
3-2.安全性は最優先
ポータブル蓄電池を選ぶ際にはいくつか注目するべきポイントがありますが、最優先で考慮するべきなのは「安全性」でしょう。
電池の素材によっては衝撃などで内部ショートを起こして発火する可能性のあるものもありますので、ポータブルの場合は衝撃に注意が必要です。
電気用品安全法に基づいた技術基準「PSE検査」に合格している点や、メーカー保証・アフターフォローが充実している点は重要視したいところです。
3-3.「ポータブル」としての使い方を念頭に置く
ポータブル蓄電池は、設置型の蓄電池を設置する場所を確保できない場合にも利便性がありますが、あくまでも「ポータブルとしての使い方を前提に購入する」ことを忘れないでください。
設置型と比較して10分の1ほどしか充電できませんので、ご家庭の電気を賄うには十分とは言えない充電量です。
もちろん、蓄電池を持っていないよりはポータブル蓄電池を持っていたほうが停電時でも電気を使えるなどのメリットはありますが、ご家庭で使用することのみ考えるのであれば設置型の蓄電池を購入するほうがメリットは大きいです。
ポータブル蓄電池は、あくまでもアウトドアに持って行くなど、持ち運べることを活かせる使い方をすることを前提に購入することをおすすめします。
「プロの一言メモ」
持ち運べることを最大限活かせることができればOK!家庭用でも使えるけれど設置型を選べるならそっちのほうが便利
4.まとめ:アウトドアでも電気が使える、設置型には性能面で大きく劣る
ポータブル蓄電池は「ポータブルとしての使い道」を最大限に利用できる使い方(アウトドアなど)が最も輝ける活躍の場となるでしょう。
ご家庭で使用する分にも使えなくはありませんが、外に持ち運ばないことを前提とするのであれば機能面で設置型の方が大きく勝ります。
購入するにあたっては、設置型よりも容量が大幅に少ないことを理解したうえで、持ち運べるという利便性を活かせる使い方をしてあげてください。
設置型の蓄電池についてのご相談は「蓄電池やりくりナビ」までお気軽にご連絡くださいませ!