COLUMN コラム
コラム
失敗しやすい家庭用ソーラーパネルの落とし穴!良く知らないと大変なことに!?
- 2020.06.30
- コラム
家庭用に「ソーラーパネル」を設置して、太陽光発電で節電や環境保護に貢献するなどのメリットがありますが、そのためには前もって知っておくべきことが沢山あります。
よく知らずに家庭用ソーラーパネルを設置して、後になって後悔するというケースは珍しくないのです。
そこで、家庭用ソーラーパネルを設置する際に知っておくべき9つのことについて解説します。
目次
1.家庭用ソーラーパネルの「お金」の話
まずは、誰もが気になる「お金」の話、要するに「家庭用ソーラーパネル設置に関わるコストの話」について解説します。
1-1.元を取れるまでには最低でも「10年」は見積もるべし
ソーラーパネルは発電した電気を使用して節電、さらには余った電気を電力会社に売却することで利益を得られますが、太陽光パネルの設置費用などの初期費用を回収完了するまでには10年以上の時間が必要になるケースが多いです。
例えば以下の条件で計算してみましょう
- 初期費用:200万円
- 1ヶ月の電気代:5,000円(全額を自家発電で賄える)
- 1か月あたりの売電利益:10,000円
2,000,000÷15,000≒133÷12≒11
仮に、1か月あたりの電気代節約量と売電利益を合計して月間15,000円の利益を太陽光発電で生み出せるとしても、200万円という初期費用を回収するためには11年という年月が必要なのです。
具体的な計算式はこの他にも後述する「メンテナンス費用」や「撤去費用」を見積もったり、自治体からの「補助金」を含めたりするため、契約前に関係する費用をすべて合算して計算することをおすすめします。
1-2.「メンテナンス」にも費用はかかる
さらにいえば、上記の計算式には初期投資の他にも合算するべきコストがあります、それは「メンテナンス費用」です。
保守点検や清掃にかかる費用を考慮する必要があり、例えば点検を業者に依頼する場合、1回あたり1~2万円かかるケースが多いです。
1-3「撤去費用」も考慮するべし
費用といえば他にも「撤去費用」についても考慮しなければなりません。
一般的なソーラーパネルの寿命は20年前後だとされていますが、それよりも早く故障することも十分に考えられます。
使わなくなったソーラーパネルを撤去するとなれば、設置に費用がかかったのと同じように、業者に撤去を依頼するのにも費用がかかります。
ちなみに故障したソーラーパネルを放置すると以下のメリット・デメリットがあると考えられます。
- メリット:屋根を保護できる(屋根の上に設置している場合)
- デメリット:屋根の修繕の邪魔になる
- デメリット:落下などの事故の原因になる可能性がある
ソーラーパネルはお金がかかる、回収できるのは10年以上先と見積もるべし!
2.家庭用ソーラーパネルの「ご近所とのトラブル」の話
次に解説するのは、家庭用ソーラーパネルを設置するにあたって考えておかなければならない「トラブル」の話です(主に屋根に設置するタイプのソーラーパネルに関するトラブル)。
2-1.パワーコンディショナーがうるさい
ソーラーパネルを設置するにあたって必要になる「パワーコンディショナー」という装置ですが、これが出す音がうるさいと近隣住民から苦情が出る可能性があります。
最新の製品であれば35db程度ですが、古い製品だと50dbを超える音が出るパワーコンディショナーもあります。
db数 | どんな音? |
---|---|
10db | 安静時の呼吸音 |
20db | 木の葉がそよぐ音 |
30db | 新聞をめくるときの音 |
40db | 静かな室内 |
50db | 小さな話し声 |
60db | 通常の話声 |
70db | 交通の騒音 |
よくある例えでは「エアコンの室外機」のような音と表現されることが多く、トラブルに発展する可能性は少ないものの、事前に近隣住民には説明しておいた方が無難でしょう。
2-2.雪が落ちてくる
危険性があるトラブルの例としては「雪の落下」です。
太陽光パネル表面に積もった雪が、一気に下に落ちてしまい、道路に落ちれば通行人にケガをさせてしまう可能性があるのです。
雪が積もる地方にお住まいであれば「雪止め金具」を設置しましょう。
2-3.裁判に発展した事例もある
実は、過去には家庭用ソーラーパネルを設置したことが原因で「裁判」に発展した事例もあるのです。
その事例では、ソーラーパネルから反射した光が向かいの家に当たっていることを原因としてソーラーパネルの撤去および損害賠償請求が行われました。
地裁判決では原告の主張が認められ、控訴審では「受忍限度を超えるものであると直ちに認めることはできない」として訴えが退けられました。
とはいえ、この事例では地裁判決時点でソーラーパネルは撤去されており、高裁でも「隣接する住宅の居住者への配慮が求められる」と言及されています。
設置する際には「事前のシミュレーション」と「事前の周辺説明」を忘れずに!
3.家庭用ソーラーパネルの「業者のトラブル」の話
最後は、ソーラーパネルを設置するにあたって依頼することになる「施工業者」とのトラブルについて解説します。
3-1.技術の乏しい業者によるトラブル
施工業者は千差万別、技術力に自信のある業者もあれば「技術力の乏しい業者」もあります。
施工を依頼した業者の技術力が乏しいと、以下のようなトラブルに発展する可能性があります。
- ソーラーパネルを傷つけられる
- 施工する屋根を傷つけられる
- 配線に問題が生じる
- 設置による近隣住民とのトラブルを予見できない
3-2.約束を守らない悪質業者とのトラブル
世の中には「悪質業者」も多く、口八丁手八丁に騙されて契約してしまい、後になってトラブルに発展する事例も少なくありません。
悪質業者の多くは「訪問販売」「電話販売」といった手法を用い、以下のような売り文句で契約を迫ります。もちろんすべての業者がそうではありませんので、しっかりと見極められるようにしましょう。
- 光熱費が実質0円になります
- 売電価格が2倍になります
- パネルなどの機材は永久的に使えます
- キャンセル料は頂きません
- 固定買取期間が10年間であると説明がない
3-3.補助金などの制度に関するトラブル
業者がうっかり屋さんだと、家庭用ソーラーパネルを設置する際の「補助金の申請」にトラブルが発生する可能性があります。
施工業者が「補助金の申請を忘れていた」または「補助金の申請手順を間違えてしまった」といった事例です。
中には挽回できるケースもありますが、申請には期限があり、それに間に合わなかったために補助金を受け取れなかったという事例もあります。
業者選びは慎重に、実績や評判で安心できる業者を選びましょう!
4.まとめ:これらを理解したうえで家庭用ソーラーパネルを設置しよう!
このように、家庭用ソーラーパネルを設置するにあたっては、さまざまな事を知っておく必要があるのです。
勉強不足のまま設置してしまうと、後になって余計なトラブルに発展する可能性が否定できません。
わからないことはメーカーや施工業者に確認しておき、不安を残したまま設置することがないようにしましょう。
家庭用ソーラーパネルの導入をご検討の方は、併せて蓄電池についても確認し効率的な発電ライフを送りましょう!!