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失敗しないための太陽光パネル設置!発電量はどのくらい?
- 2020.06.15
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これから太陽光パネルを設置しようと考えた時、よく考えられることは「少しでも発電量の多い太陽光パネルにしたい!」ということではないでしょうか?
設置条件は同じでパネルの違いだけで発電量が異なるのであれば、少しでも多く発電できるパネルを設置したいと思うのは当然です。
そこで、太陽光パネルで発電量がどれだけ異なるのかについて解説します。
1.太陽光パネルの発電量を左右する要因
まずは、そもそも「太陽光パネルの発電量」が何によって左右されるのか、基本的な部分からおさらいしておきましょう。
1-1.設置場所の気候条件
太陽光パネルを設置する場所の「気候条件」は、どの太陽光パネルを選ぶ場合でも重要なポイントの1つです。
要するに太陽光パネルは「太陽光⇒電気」という結果を生み出すわけですから、設置場所の日照量や気象条件は重視しなければなりません。
極端な話、年中雨が降るような場所に太陽光パネルを設置しても発電量は稼げませんから、晴れの日が多く十分な日照量を確保できる場所に設置することが、発電量に大きく左右することになるのです。
1-2.設置条件
設置場所の環境が良くても、太陽光パネルの「設置条件」も考慮する必要があります。
設置条件とは、例えば太陽光パネルを設置する「枚数」や「角度」のことです。
太陽光パネルは理論上、枚数を増やすほどに発電総量は増加します。
角度は、少しでも効率よく日光を当てられるように、日本の場合であれば「南向きに30度の角度」が理想的だとされています。
1-3.パネルの変換効率
ルそのものに依存しない条件ですが、太陽光パネル自体に依存する条件として「変換効率」が挙げられます。
太陽光パネルの変換効率とは、簡単に言えば太陽光をいかに効率よく電力に変換できるか、その効率の良さを示す数値のことです。
変換効率が優れている太陽光パネルを選択すれば、少ない枚数でも効率よく発電できるケースが多くなります。
変換効率トップクラスの太陽光パネルをピックアップしてみました。
メーカー | 型番 | 変換効率 |
---|---|---|
東芝 | SPR-X22-360 | 22.1% |
東芝 | SPR-X21-265 | 21.3% |
東芝 | SPR-E20-250 | 20.1% |
シャープ | NQ-256AF | 19.6% |
シャープ | NQ-225AG | 19.5% |
シャープ | NU-250AJ | 19.2% |
パナソニック | VBHN255WJ01 | 19.9% |
パナソニック | VBHN252WJ01 | 19.6% |
パナソニック | VBHN250SJ33 | 19.5% |
太陽光パネルの発電量は「設置環境」「設置条件」「パネルの変換効率」を考慮するべし!
2.日本での発電量の考え方と計算方法
次に、日本では太陽光パネルでどの程度の発電量が実現可能なのかについて、基本的な考え方と計算方法について解説します。
2-1.目安は「年間1,000~1,200kWh」
日本では、一般的にシステム容量1kWにつき、年間で1,000kWhが目安であるといわれています。
また、経済産業省の資料によれば、システム容量10kW未満の太陽光発電の平均年間発電量は1,191kWhというデータもあります。
具体的な発電量は設置するさまざまな条件により変動しますが、良い条件を満たしていればシステム容量1kWあたり1,000~1,200kWhの発電量を実現できるだろうと推測されます。
2-2.「kW」と「kWh」の違い
先ほど登場した「kW」と「kWh」の違いについては以下のとおりです。
- kW(キロワット):瞬間的な発電能力の大きさを表す単位
- kWh(キロワットアワー):1時間あたりの発電量
2-3.太陽光パネルの発電量の計算方法
太陽光パネルの発電量は「システム容量×日射量×損失係数」によって求めることができます。
1日当たりの発電量=太陽光パネルのシステム容量×1日あたりの平均日射量×損失係数
「損失係数」とは、発電量を低下させる要因のことで、以下の条件で発電量が低下する可能性があります。
- 気温が高い(25度を1度超えるたびに0.5%ほど発電量が低下)
- パワーコンディショナの変換効率
- 太陽光パネルの汚れ
- 太陽光パネルの経年劣化
日本の場合、損失係数は0.73~0.85という数値が使われることが多いようです。
条件が整えば、システム容量1kWhあたり1,000kWh以上の発電が可能!
3.発電量で気にするべきその他のポイント
失敗しない太陽光パネル選びをしたいのであれば、上記で説明したこと以外にも以下の3つについて考慮することをおすすめします。
3-1.設置場所(屋根など)に合った形・大きさであること
太陽光パネルを選ぶ際には「設置場所に合った形・大きさである」ことを考慮してください。
住宅で太陽光パネルを設置する場所といえば「屋根の上」ですが、屋根は住宅によって大きさや形が異なります。
例えば「あと少し屋根が広ければ、もう1列パネルを設置できるのに…」という場合には、大きさの異なる別の太陽光パネルに変えることで、屋根にピッタリの広さで設置できる可能性があります。
太陽光パネルの変換効率はあくまでも「面積あたりの発電量」なので、効率よりもパネルの総面積を重視することで総発電量がアップするケースも少なくないのです。
3-2.耐久性に優れている
太陽光パネルを選ぶ際には「耐久性が高い」ことも考慮したいところです。
太陽光パネルは屋外で使用するわけですから、どうしても暑さや積雪など気候関係で耐久性を削られることになります。
経年劣化により発電量が下がってしまえば、故障するまでの発電可能総量も少なくなるでしょう。
太陽光パネルによっては温度や環境、経年劣化による出力低下率の低い素材を使用したものもありますので、選定の際には耐久性に関する条件も考慮することをおすすめします。
3-3.信頼できる業者に施工してもらう
太陽光パネルそのものではなく「パネルを設置する施工業者選び」も重視しましょう。
施工業者がパネルの性能や発電量に影響しないと思われるかもしれませんが、設置時にパネルを傷つけたり、配線が上手くできていないことによる発電ロスの可能性は捨てきれません。
実績豊富で、評判の良い施工業者に依頼することをおすすめします。
「形や大きさ」「耐久性」「施工業者」も発電量に影響する可能性あり!
4.まとめ:太陽光パネルの性能だけが発電量を左右するわけではない
太陽光パネルの発電量は、パネルの性能にも依存しますが、設置条件や施工の仕方にも影響されることがわかります。
太陽光パネルを選ぶ際にはカタログスペックだけで選ぶのではなく、実際に設置するイメージを明確にして、最も相性の良いメーカーや施工業者を選ぶことをおすすめします。
太陽光パネル導入の際に必要なパワコンについて以下の記事で紹介しています。
「パワコン」って何?