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災害対策に取り入れたい「非常用蓄電池」設置前に知っておきたいメリットとデメリット
- 2020.06.11
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日本では台風や地震といった自然災害による電力トラブルが起こりやすいため、いざというときのために備えておかなければなりません。電力トラブル対策に注目を浴びているのが非常用蓄電池です。蓄電池には電力を貯めるという特徴があるため、電気が使えないような時に役に立ちます。
自然災害時のために設置しておきたい蓄電池ではありますが、導入前にメリット・デメリットを知っておきたいところです。メリットばかりに注目して、導入後に「こんなはずではなかった」とならないためにもデメリットをしっかり知っておく必要があります。
そこで今回は、非常用蓄電池設置前に知っておきたいメリット・デメリットについてご紹介いたします。蓄電池と相性の良い機器2つもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.非常用蓄電池のメリット
非常用蓄電池をご家庭に導入するには、以下の2つのメリットがあると考えられます。
1-1.停電時にも電気が使える
最大のメリットは「停電時にも電気が使える」ことです。
昨今、台風や地震などの災害で停電が長続きするという事例が頻発しており、本記事をご覧の方の中にも停電による生活の質の大幅な低下に悩まされた経験があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
非常用蓄電池に電気を貯めておけば、停電時でも問題なく家電製品を使用することができ、生活の質を維持できます。
実際に何日間ほど使えるかについては、導入する蓄電池の容量と充電状況、電気の使い方によって異なりますので具体的には言えません。しかし、使用する家電製品を限定すれば相応の日数分の電気を蓄電池で補えるのではないかと考えられます。
1-2.普段は電気代節約に貢献する
非常用蓄電池とはいえ、通常の蓄電池のように日常的にも使用することも可能です。
蓄電池単体で運用する場合、充電方法はご家庭の分電盤からになりますが、これを上手に活用する方法があります。
まず、ご家庭の電気契約を「深夜帯の電気料金が安いプラン」に切り替えます。
このプランだと昼間は割高な電気料金になるのですが、電気料金が安い深夜の間に充電しておき、昼間はその貯めた電気を使うことで、昼間の電気料金を深夜帯の安い電気料金に置き換えることができるのです。
気温が高い・低い時期に停電が発生しても、蓄電池の電気でエアコンを動かせば体調不良を回避できる!
2.非常用蓄電池のデメリット
非常時(停電時)にも電気を使える蓄電池ですが、導入に際してはいくつかデメリットがあることも考慮しなければなりません。
2-1.導入費用が高額
蓄電池は、100万円~数百万円という価格で販売されています。
また、工事の配線などで販売価格以外に追加の工事費用がかかる場合もあります。
容量の大きなものほど比較的高額になるので、ご自宅の電気代がどのくらい浮くのか、停電時にどの程度の容量が欲しいかを元に、事前に計算してみましょう。
2-2.設置場所を確保しなければならない
蓄電池を導入するということは敷地内のどこかに置いておくということ、つまり「設置場所を確保しなければならない」ということでもあります。大容量の蓄電池は大型化する傾向にあり、重量が200㎏以上の蓄電池もあります。
マンションやアパートの場合は設置できる場所が限られるのでサイズ・重量をきちんと考慮しなければなりません。
2-3.寿命がある
蓄電池は、一度購入すれば半永久的に使えるというわけではなく、「いつかは寿命が来る」ことを考慮しなければなりません。
一定の蓄電が可能な年数や使用回数が機種によって決まっており、それに対してメーカーの保証年数が設定されていますが、いつかは使えなくなるものであることは念頭に置いてあるべきかと思います
2-4.使えない家電もある
蓄電池は貯めた電気で家電製品を動かせますが、蓄電池の種類によっては動かせない家電製品があります。問題なのは「出力電圧」で、蓄電池の中には100Vのみ対応している種類があるのですが、エアコンなどの大型家電は200Vが必要です。
「停電時にもエアコンが使いたい!」などの需要があれば、200Vに対応した蓄電池を選んで購入することをおすすめします。
メーカー・型番 | 容量 | 出力電圧 |
---|---|---|
ニチコン・ESS-U3S1 | 4.1kWh | AC 101V |
京セラ・EGS-LM1201 | 12kWh | 連系出力:AC 202V 特定負荷出力:AC 101V |
ニチコン・ ESS-U2X1 | 16.6kWh | AC 202V |
必要以上の機能の無い、最適な蓄電池を選び抜きましょう!
3.太陽光発電や電気自動車との相性バツグン!
ご家庭に蓄電池を導入するのであれば、相性の良い機器として「家庭用の太陽光発電システム」と「電気自動車」が挙げられます。それぞれの蓄電池との相性についてご紹介いたします。
3-1.蓄電池+太陽光発電システム
蓄電池に「太陽光発電システム」を組み合わせることは、とても相性が良いです。
太陽光発電単体だと、雨天時や夜間には太陽光の電気を使えませんが、蓄電池を組み合わせることで余剰発電分を貯めておき、夜間に使用することで電気代の節約になります。
3-2.蓄電池+太陽光発電+電気自動車
蓄電池のメリットを最大限に活かすのであれば、上記の組み合わせにさらに「電気自動車」を組み合わせることです。
「トライブリッド蓄電システム」の蓄電池(太陽光と電気自動車に対応)を導入し、太陽光発電で作った電気を電気自動車の充電に使用できます。
電気自動車はクリーンなイメージがありますが、使用する電気をクリーンではない方法で作ったとすれば、完全なクリーン車にはならないでしょう。
ご家庭で太陽光発電を行い、それを電気自動車に充電することで、より完璧に近い環境への配慮が可能な電気自動車を運用できるのです。
トライブリッド蓄電システム+太陽光発電システム+電気自動車をすべて一度に購入する必要はありません、お得になるタイミングを見極めよう!
4.まとめ:非常用蓄電池は便利!選び方には要注意…
非常用蓄電池を導入することで停電時にも電気を使えますが、蓄電容量や出力電圧などによって使い勝手や価格は異なりますので、バランスの良い最適な蓄電池を選びましょう。
補助金や設置の条件なども含めて、不明な点は販売店に問い合わせて確認し、あとで後悔することがないようにすることをおすすめします。
蓄電池の選び方や補助金などについてのご相談は、ぜひ「蓄電池やりくりナビ」までお気軽にお問い合わせくださいませ!