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「電気自動車」は「蓄電池」の代わりになるのか? 

  • 2020.10.26
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昨今「電気自動車」がCMやニュースに取り上げられる機会が多くなったと感じています。

その中で「電気自動車に貯めた電気を、停電時のご家庭の電気として使う」といった、どこか「蓄電池のような使い方」としてのメリットを感じさせる話題が出てくることがあるのです。

そこで、本当に電気自動車は蓄電池の代わりに利用できるのかについて解説します。

1.電気自動車と蓄電池


まずは「電気自動車」と「蓄電池」の基本的なことについて解説します。

1-1.電気自動車とは?

「電気自動車」とは、従来の「ガソリンで動く自動車」と異なり、その運転にガソリンではなく電気を消費するタイプの自動車です。

英語で電気自動車を意味する「Electric Vehicle」を略して「EV」と呼ばれることも多く、その最大の特徴は「内燃機関をもたない」ことになります。

ガソリンを燃やして車を動かす仕組みの場合、その「燃やす」という過程において必ず排気ガスが発生し、これがいわゆる「温室効果ガス」として地球温暖化の一因となっているのです。

電気自動車はその動作においてガソリンを燃やす必要がなく、排気ガスが発生しません。

そのため、環境に優しい自動車として国の補助金制度もあり、充電方法のインフラも増加し、導入される方が増えています。
ガソリンの給油料金よりも遥かに安く充電が可能のため燃費も浮くとのことで、今後のガソリン車からの移行に期待が高まっています。

1-2.蓄電池とは?

この場合は一般家庭用の据置型蓄電池の事ですが、蓄電池は電力会社からの電気や太陽光発電などで作った電気をため、また貯めた電気を家庭の電気としていつも通り利用できる機器です。
蓄電池が設置されていることで、停電時にも蓄電池内に貯めた電気量だけ電気が利用できるため、停電による不便さを回避することができます。
蓄電池の無い家庭で停電が発生すると、「冷蔵庫・冷凍庫の中身が傷んでしまう」「暑いときにクーラーも扇風機も使えない」「夜間に普段の照明器具が使えず暗い」など、非常に不便です。
蓄電池に電気を貯めておけば、停電時にも電気が供給できることは暮らしの質を守ることに繋がります。

1-3.「電気自動車を蓄電池の代わりに使う」とは?

「電気自動車に乗っていれば、大容量の蓄電池が有るのと同じだから蓄電池はいらない」という話が出るくらい、電気自動車に搭載されている蓄電池の容量は大きく、家庭に据置型の蓄電池が付いていないように思えると思います。

ところが電気自動車の電気を自宅に取り込むことはできず、一部のオプションで家庭用100Vコンセント電源が取れる車種などはありますが、基本的には電気自動車の電気で家電製品を利用することはできません。
家庭の電源から電気自動車に電気を充電するための充電コードを使っても、電気自動車から電気を抜き出すことはできないのです。

停電している間、電気自動車の社内で生活しましょうという意味ではないと思うのですが、一体どのような意味でしょうか?

「プロの一言アドバイス」
電気自動車の充電は、自宅の駐車スペースだけでなくコンビニやサービスエリアにも充電設備があります。

2.電気自動車は蓄電池として使えるのかについて


では、本当に電気自動車は蓄電池として活用することができるのでしょうか?

2-1.電気自動車を「停電時の非常用電源」として使える

前述の通り、電気自動車に貯めた電気を消費して、家電製品等を動かすという話はテレビなどでたまに話題にされることがあります。

これには「VehicleからHomeへ」という意味として「V2H」と呼ばれる機器が必要で、電気自動車の新しい可能性の1つとして注目されているのです。
V2Hを使えば、電気自動車から家庭に電気を取りこむことができるので、電気の消費時間帯に干渉することもできますし、停電時に電気自動車をバックアップ電源にできます。

V2Hは、要は電気自動車版のパワーコンディショナーです。
蓄電池の代わりに使うためには、電機自動車+V2Hを購入する必要があるということですね。

2-2.電気自動車を蓄電池として使うメリット

電気自動車を蓄電池の代わりに活用するメリットは以下の3つです。

  • 「自動車」と「蓄電池」のメリットを1台の電気自動車で賄える
  • 停電していない地域に電気自動車で移動して充電して家に持ち帰ることができる
  • 車種によっても違うが、据置型蓄電池よりも大容量の蓄電容量でバックアップできることが多い

特に大きなメリットが3つ目の「容量が多い」ことです。
しかし電気自動車の車体価格はガソリン車と比べてどうしても高価です。
最近では中古車市場にも多くの電気自動車が出回っていますが、安く電気自動車を購入できたとしてもV2Hも購入するとなると、合計でかなりの出費になります。
停電時に自宅に自動車が停めてあるとも限らない、という点を考えると、据置型蓄電池を導入するか、ガソリン車との2台持ちで導入されるのがおすすめです。

2-3.電気自動車を蓄電池として使うデメリット

しかしながら、電気自動車を蓄電池として使うことにはメリットだけでなくデメリットもあります。

  • 電気自動車+V2Hの導入に、据置型蓄電池の倍は費用がかかるとことが多く、高い
  • 電気自動車の充電はガソリン車に比べて時間がかかるため、その点では利便性が下がるため自家用車が1台しか無い場合は電気自動車に乗り換えるのに一定の覚悟が必要
  • 据置型蓄電池と比べると、「停電時に自宅に電気自動車を停めていないと電気が使えない」ことで家に居る他の家族が電気を使えないというケースも想定でき、決定的な欠点である

これらのデメリットも考慮すると、電機自動車+V2Hと据置型蓄電池とは大きく違うものであることが分かると思います。

「プロの一言アドバイス」
単純な性能面でのメリットだけ考えるのではなく、「実際に使ってみるとどう感じることになるのか?」を入念に考慮して選定しましょう。

3.電気の備えは「蓄電池」がおすすめ!


電気自動車は確かに非常時の電力源として用いることができなくもありませんが、あくまで「V2Hもあればそうした使い方もできる」と考えておきましょう。

電気自動車はあくまでもマイカーとして、停電時の備えとしては蓄電池の導入をと、別々のものとして導入するのも非常に有効な手段なのです。

蓄電池、V2Hの導入に関するご相談は、ぜひ「蓄電池やりくりナビ」までお気軽にご相談くださいませ!

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