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蓄電池普及のために解決するべき現状の課題とは
- 2020.08.23
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昨今、非常用の備えとして「蓄電池」に注目が集まっています。
しかし、注目されている程には、ご近所で蓄電池を買ったという話をあまり聞かないと感じる人が多いのも事実です。
蓄電池の導入にはメリットがあり、もっと普及してほしいと思うのですが、そのためには解決するべき課題がいくつかあると考えられます。
そこで、蓄電池の普及に関する課題について考察したいと思います。
1.蓄電池の普及を妨げる要因とは
まず、現状において蓄電池の普及がそれほど進んでいないと感じられる原因について、4つのポイントにフォーカスして解説します。
1-1.価格の高さ
最大の原因として考えられるのは「価格の高さ」です。
蓄電池は1つ購入するだけでも相応の出費になるため、一般的な家電製品ほど簡単には普及しにくいと考えられます。
1-2.購入タイミングの難しさ
価格の高さに関連して、「購入のタイミングを見計らうのが難しい」という点も気になります。
価格が相応の水準なので「少しでもお得な条件で購入したい」と思うでしょう。
また、こうした製品はよりメリットが多い新商品登場のタイミングを見計らいたいというニーズもあります。
このように「少しでも良い条件で蓄電池を購入したい」と考えると「今、蓄電池を購入して、直後に新商品が出たら、あるいは補助金が新設されたら…」と疑心暗鬼になってしまい、なかなか購入に踏み切れない方もいるようです。
1-3.サイズの大きさ
これも無視できない要因の1つが「サイズの大きさ」です。
蓄電池は大きなものだと1辺が1mを越えるサイズ、小さくても1辺50~60㎝クラスのサイズになります。
大きなものを購入するということは、大きなものを家に置くということ、設置場所を考えるとなかなか気軽に購入できないのです。
1-4.得られるメリット
蓄電池の購入を検討しているのであればしっかりと把握しておきたいのが「得られるメリットが限定的である」ことです。
よく「蓄電池を買うと、こんなメリットがある」と言われているのは以下の内容です。
- 停電時に電気が使える
- 夜間の安い電気を使える
- ピークシフトやピークカットに協力できる
- 太陽光発電と組み合わせるとさらにメリットがある
この中で、明確にメリットとして享受できるのは「停電時に電気が使える」だけで、蓄電池単体で得られる経済的なメリットは限られますし、ピークカット等は具体的なメリットにはなりません。
上記3つの課題を抱えた状態で、得られるメリットが限定的であるため、なかなか普及しないのではないかと考えられます。
蓄電池は「容量が大きい≒高価格・大サイズ」の傾向があります!
2.現状の課題に対する将来性の考察
さて、現状考えうる課題を列挙したところで、次にその課題に対する将来性について考察してみたいと思います。
2-1.販売価格は需要の上昇によって低下は見通せない
最大の課題である「蓄電池の価格(相応のお値段)」については、今後その価格が低下する傾向にあるとは考えにくいのが現状です。
一般的に、商品の市場価格は「需要と供給のバランス」によって決まると考えられます。
冒頭でも述べていますが、災害などで停電が相次いでいる中で非常用電源としての蓄電池の需要は高まりを見せています。
需要が高まればそれに引っ張られる形で価格も高まる傾向にあるため、今後の蓄電池の市場価格は「良くて据え置き、悪ければ高騰する」と考えられるのです。
2-2.家計の負担は「補助金」など政府のサポートが欠かせない
価格が高くなれば、当然ながら購入による家計への負担は無視できないものとなります。
蓄電池の市場価格の低下を期待できないのであれば「補助金」による購入サポートは今まで以上に重要な存在となるでしょう。
実際、過去に蓄電池関連の補助金は予算内で期間が延長された実績もあり、自治体も蓄電池関連の補助金には積極的な姿勢を見せていると評価できます。
2-3.技術の進歩によって価格とサイズの問題は徐々に解消される
これは蓄電池そのものについての話ではありませんが、機械製品の市場価格やサイズの問題は「技術の進歩」によって解決される可能性について期待できます。
例えば蓄電池にも使用されている「リチウムイオン電池」は、従来の蓄電池と比較して小型で大容量の蓄電池として注目されました。
リチウムイオン電池の登場により、充電池を使用した製品は小型化が進みました。
全く新しい技術が登場しないとしても、従来の技術を応用することでコストカットやサイズカットが可能になれば、蓄電池も低価格化や小型化が進むものと考えられます。
補助金が利用できるかどうかは、販売店に確認して手続きしてもらいましょう!
3.蓄電池を購入するタイミングについて
最後に、「蓄電池を購入するタイミング」について考えてみましょう。
3-1.補助金があれば早目の検討も必要になる
もし、現状で「補助金」が利用できるのであれば、早目に蓄電池の購入を決めておいた方が良いかもしれません。
一般的に補助金という制度は「予算」が設定されており、補助金として支払う金額の上限が決められています。
つまり「早い者勝ち」なのです。
実際、「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」という蓄電池の補助金は、期間が延長されたのちに予算額を超過したため終了しています。
補助金がいつ終わるかは誰にもわかりませんので、もし狙っている蓄電池が補助金を利用できるのであれば、補助金の予算がなくなる前に補助金を利用して購入を決めるという手もあるのです。
3-2.必要だと感じたら、まず販売店に相談してみる
蓄電池を買うべきタイミングは人それぞれだとは思いますが、何よりも「蓄電池、買おうかどうか迷っている…」と感じているのであれば、まずは販売店に相談してください。
蓄電池の販売店は蓄電池や蓄電池関連(補助金など)の専門家であり、さまざまなアドバイスをしさせていただきます。
販売店と接点を持っておけば、いざ購入を決めた時にも手早く導入を進めることができるでしょう。
蓄電池に関する相談は販売店に聞くのが一番!接点を持っておけばいざという時に迅速に行動できます
4.まとめ:蓄電池の価格は高騰もありえる!無駄なく機能する蓄電池の選定が重要
蓄電池の価格は今後さらに高騰することも十分にあり得ます。
価格の高さで購入を渋っているのであれば、少しでも価格が安い蓄電池を中心に選定することもおすすめです。
高価格・高性能でも持て余して使いこなすことができなければ、宝の持ち腐れになるでしょう。
ただし、安い蓄電池ほど得られるメリットや可能なことは限られますので、「必要な機能を備え、無駄なく使いこなせる」蓄電池を選定するためにも、販売店に相談して選定や補助金などについての問題を解決してください。
蓄電池に関するさまざまなご相談は、ぜひ「蓄電池やりくりナビ」までご連絡くださいませ!