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蓄電池の近未来。蓄電池は今後どのように機能が上がっていくのか?
- 2020.10.13
- コラム
家庭用据置型蓄電池が皆様の家庭に気軽に導入できる時代になり、5年以上は経ちます。
この間にも、押上げ型蓄電池によるダブル発電の条件が変わり、新規太陽光設置の売電価格から自家消費の価値が変わり、国や電力会社の制度の変化に合わせて蓄電池は刻一刻と進化し、ユーザーにメリットを提供しています。
その中で、リチウムイオン蓄電池の材料となるコバルトなどのレアメタル素材の高騰により、メーカーは蓄電池のコストをどう抑えるかが重要になり、安価で優秀な蓄電池の開発が急がれています。
しかし新素材となると安全性が確認され、製品化、電力会社の認可を取って、流通し、私たちの手元に届くのはかなり先になると予想されており、当面は今の素材で、リチウムイオン蓄電池の機能が進化してゆく見込みです。
今回は、最新機種の動向から少し未来の新機能を予想してみようと思います。
最新型蓄電池にはどんなものがあるか?
従来の蓄電池は、蓄電ユニットそのものを1台付けにしたり2台連結にしたりして蓄電容量を変更できる仕様のものがいくつかはありました。
しかし、スマートフォンやメガソーラーのパワコンなどで有名なハーウェイが日本市場に2020年冬に発売を予定しているAI BOOSTという名の機種は、蓄電ユニット自体を5~30kWhまで拡張容量を選んで設置可能という柔軟さで、驚異的な小型化を実現している。
さらには、パワコンにAIを搭載することで安全管理をアクティブに行えるという安全性能はハーウェイ独自の機能です。
オムロンがこの10月に発売するマルチ蓄電プラットフォームというモデルは、性能自体を小分けに追加できる仕様。
太陽光発電との連携、停電時の負荷範囲など、機能性を大きく変えることができることがメインの特徴です。
屋外/屋内どちらにも設置可能であったり、島国日本では嬉しい塩害対応になっていることも含め、とにかく「選びやすい」蓄電池です。
最新型蓄電池の進化の傾向をどう見るか
最新型蓄電池は、「電池としての性能」が上がったというよりも、「よりユーザーに親切な設計」になっていると言えます。
電池としての性能はすぐには上がりませんが、しっかりと親切な設計にすることによって「こんなにも高性能な蓄電池が出たのか!」と思わせてくれるような機種仕様を実現しています。
もちろん、性能が上がれば価格も上がります。付加価値の高い機種として、これらの機種がどういった価格帯で販売されるのかはいまだに見えていない部分で、安く発売されることが期待されます。
これらの例から、今後は相当な期間で「電池としての性能は上がらないが、より親切な設計」の蓄電池が発売されるのではないかと考えられます。
例えば、CONNEXX SYSTEMSというメーカーから発売されているBIND Batteryという機種はかなり特徴的で、短的な蓄電性能よりも長期的な耐久性を優先した蓄電性能と、送電網を通さずオフグリッド蓄電をすることによってこれまでに無いほど災害に強いシステムを実現しています。
実はこの機種も、リチウムイオンと鉛の複合で蓄電することで冬季の蓄電ロスの少ない性能になり、東北や北海道の低気温の設置環境にマッチしやすい仕様になっているという点でユーザーにマッチしやすい製品なのです。
これらの例から、「機能を片寄せる」ことにトレンドを感じます。
今後はどんな蓄電池があったらいいなと思うか?
あとは、大切なのは想像力です。
ユーザーの目線で考えて、こんな蓄電池があったらいいなと思えるものが、今後出る機種になります。
このコラムが、蓄電池メーカーの企画開発者の目に留まることを願って。
例えば、蓄電池がダイニングやリビングのテーブルの下に組み込まれているものとかどうでしょう?
宅内の設置場所に悩むくらいなら、家具と一体型にして普段から使用するスペースに紛れ込ませるのです!
家具の量販店と蓄電池メーカーが共同開発すればマーケティングもバッチリじゃないでしょうか?
または、4kWh台の小容量蓄電池ながらも大災害の折には持って運べるというのはどうでしょう?
ポータブル蓄電池が系統連系蓄電池としても利用できるイメージです。
これであれば、停電時のフォローも特定負荷でありながら必要に応じて他の部屋に移動することができます。
10kWhくらいある蓄電池の一部がポータブルできて、1kWhくらいが外して持ち出せるとかできても良いかも知れません。
蓄電池もV2Hももっと進化し、電気自動車の普及が進めば、超豪邸では車庫に駐車するだけで車庫の地面の下から電気自動車のバッテリーに無接続で給電、なんてこともできるかも知れません。
想像するだけでもかなりセレブな設置費用がかかると思われますが。
まとめ:新製品の性能に期待しつつ、現状のご自宅最適品を選ぶ
いかがでしたでしょうか、少し筆者の想像力が暴走ぎみかもしれませんが、新しい蓄電池にはこんな機能が付いていて、どんどん色々発売されたら面白いと思います。
しかし蓄電池の電池性能は、ひと昔前と違ってかなり研究され、すでに小型化、軽量化、耐久性に優れたものになっています。
ものには限界というものがありますので、今蓄電池を必要としている方は、必要としている機能が充分に揃ったものをお選び下さい。
蓄電池選びに迷ったら、是非蓄電池やりくりナビにご連絡下さい!