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蓄電池は容量が多いほど良い?意外なデメリットも理解しておこう
- 2020.08.25
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「大は小を兼ねる」という諺があるように、大きなものほど良いという印象を受ける人は多いのではないでしょうか?
しかし、蓄電池は大きければ良いというものではありません。特に「蓄電容量」は数値化できる情報なので「蓄電容量の数値が大きい=メリットの多い、良い蓄電池」と考える人も多いでしょうが、厳密にはそれは正しくありません。
そこで、蓄電池の蓄電容量の大小に関するメリット・デメリットについて解説します。
1.蓄電容量の基本
蓄電池のカタログスペックには「蓄電容量:〇〇kWh」というように表記されていると思いますが、そもそも蓄電容量とは何なのかについて簡単に解説します。
1-1.蓄電容量=電気を貯めておける最大量
蓄電容量とは、その蓄電池に貯めておける電気の最大量です。
例えば500mlのペットボトルには500mlまで液体を入れられますが、2Lのペットボトルの場合は2Lまで液体を入れることができますよね。
それと同じく、蓄電池ごとに異なる蓄電容量を最大量として、電気を貯めておくことができます。
ちなみに、蓄電池に表記されている性能の中に「kW」で表す「出力」という項目があると思います。
出力(kW)と容量(kWh)の違いは、容量は上記の通り「一度に貯めておける電気の量」であるのに対して、出力は「一度に使える電気の量」を表すのです。
家電製品は、それぞれ消費電力量が異なります。
例えば出力が2kWhの蓄電池の場合、停電時に合計で2000Wまで家電製品を動かすことができるのです。
例:蓄電池出力(2kWh)>家電A(600W)家電B(300W)家電C(200W)を同時に使用可能
1-2.一般的な家庭用蓄電池の蓄電容量
一般的な家庭用蓄電池は、小型~中型の蓄電池だと3kWh~6kWhの蓄電容量を持ち、大型になると10kWhを越える蓄電容量を持つタイプもあります。
例えば合計で1000Wの家電製品を同時に、10kWhの蓄電容量を持つ蓄電池の電気で動かす場合、最大量の充電で最大10時間ほど(厳密には異なります)家電を動かすことができます。
1-3蓄電容量が多いことのメリット
蓄電容量が多いということは、停電時に多くの家電を長い時間動かし続けることができるというメリットがあります。
例えば500mlと2Lのペットボトルで一度に100mlずつ水を飲む場合、2Lのほうが4倍も多くの水を飲むことができますよね。
生活の中で使用する家電の中には消費電力の多いものも含まれており、長時間の停電に対応するためには大容量の蓄電容量を持つタイプをおすすめします。
家庭用の設置型蓄電池は、「ポータブル蓄電池」の数倍~数十倍もの蓄電容量を持ちます!
2.蓄電容量が多いことのデメリット
厳密にはデメリットというほどの事ではありませんが、「設置場所に困る」可能性があります。
一般的に大容量の蓄電池ほど「大型化」する傾向にあり、蓄電容量が10kWhを越えるタイプになると高さや横幅が1mを越え、重量も200kg以上になるタイプが多くなります。
必然的に室内での設置は困難であり、屋外に設置する場合でも大型の蓄電池ほど設置場所を慎重に選ぶことになるでしょう。
また、そもそも大容量の蓄電池を購入しても、使い方次第では持て余してしまう可能性も捨てきれません。
「大は小を兼ねる」とはいいますが「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ともいいます。
サイズのデメリットを考慮すると、一概に大容量であればベストだともいえないのです。
ご家庭の電気の使い方などを考慮して、最適な蓄電容量を選択することがベストな選択肢となるでしょう。
蓄電池の購入を検討する場合、サイズと設置場所、ベストな蓄電容量について販売店としっかり話し合いましょう!
3.蓄電池の設置スペースの注意点
先ほど「大きなサイズの蓄電池は設置場所に困るかもしれない」という話をしていますが、「蓄電池の設置場所」についてはいくつか把握しておくべき注意点があります。
3-1.屋外に設置する場合
多くの蓄電池は「屋外」に設置しますが、屋外設置の場合には以下のポイントに注意して設置場所を選定してください。
- 直射日光が当たらない
- 熱がこもるような場所ではない
- 湿気がこもるような場所ではない
- 寒冷地域ではない
- 塩害の及ぶ地域ではない
- その他、蓄電池の故障や事故のリスクが高まる条件に当てはまらない(ガスなど)
屋外設置は選択肢が多くなる一方で、天候や環境の影響を受けやすいです。
上記を考慮して設置場所を選定しないと、蓄電池の寿命を縮める結果になる可能性があるので注意しましょう。
3-2.屋内に設置する場合
小型の蓄電池を中心に「屋内」に設置できるタイプの蓄電池がありますが、以下のポイントに注意して設置場所を選定しましょう。
- 熱がこもるような場所ではない
- 湿気がこもるような場所ではない
- 蓄電池の重量に耐えられる床である
- メンテナンスのためのスペースを十分に確保できる
- その他、蓄電池の故障や事故のリスクが高まる条件に当てはまらない(紙など可燃物の保管場所のそばは避ける)
天候の影響を受けにくい一方で、熱や湿気がこもりやすいリスクを十分に考慮する必要があります。
配線工事の利便性を考慮すると分電盤の近くがおすすめですが、リスクを避ける設置場所を第一に考えて設置場所を選定してください。
「ここがいい!」と思った場所に意外なリスクが隠れているかも?設置場所は販売店と相談して選定しましょう!
4.まとめ:利用シーンを思い浮かべて最適な蓄電容量を選択しよう!
蓄電容量は多いほど利便性を高めますが、多すぎても持て余してしまう可能性は捨てきれません。
設置場所なども含めて、ご家庭に最適な蓄電池の選択肢を販売店に相談して、良いアドバイスをもらいながら購入を決めてください。
蓄電池の選定や設置に関するご相談は、ぜひ「蓄電池やりくりナビ」までお気軽にご相談ください!